Yuga Kusumi 建築 ・ もしも≒いつも — JST
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もしも≒いつも ・ 2026

準備の徹底と仮説のストラクチャー

過防備として都市を覆う「準備の装飾」に対して、東京のペンシルビルを舞台に「準備の装飾」の倒錯について思考しました。

都市には、想定外を排除する誘導、表示、監視が「過防備」として積層しています。安全のために付加されたはずの構えが必要条件を越えて増殖し、都市の表層を覆い尽くす。それは機能を語るだけの装飾です。そして、安全と引き換えに、私たちの想像力を必要としません。

本制作は、この「過剰/余剰」を別の位相へ反転させます。匿名的なペンシルビルを舞台に、複数のテナントの行為から生まれる香り・湿度・熱・水・光といった現象を過剰に増幅し、建築全体を一つの生態系として組織します。そこに現れるのは、用途を支えながら用途を越え、仮説を与えつづける「仮説のストラクチャー」です。それもまた機能の余剰である以上ひとつの装飾ですが、あらかじめ貼り付けられた装飾ではなく、日常の欲望が増幅された結果として事後的に生まれ、環境に応答しつづける装飾です。

想定外を排除する過防備の装飾に対し、仮説の装飾は想定外を呼び込み、もう一つの世界を想像します。

本計画は、複数の店舗が集積する複合施設を舞台に、〈集まって商うこと〉の新たなカタチを探るものである。各店舗の行為から立ち上がる造形や配置を意図的に組み込むことで、建築は都市のなかで「特異点」として自立し、周辺環境に継続的な揺らぎをもたらす。
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